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花田さん、ご苦労様でした。

 去る2月3日、早稲田大学にて、花田達郎早大教育・総合科学学術院教授の最終講義があった。長年にわたり知遇を得てきた者の一人として、立錐の余地のない教室で、「公共圏、アンタゴニズム、そしてジャーナリズム」と題する講義、彼自身の敷衍によれば「公共圏におけるアンタゴニスティックな文化的実践としてのジャーナリズム」をテーマとする講義を聞かせてもらうことが出来た。
 花田氏は、2006 年 4月、東京大学より早稲田大学に移られたのだが、それは、当時、早稲田大学では、 Columbia Schhol of Journalism, Annenberg School of Communication and Journarism といったアメリカのジャーナリズム・スクールをモデルとする、独立した教育組織の設立機運が醸成されつつあり、この運動の中核的存在でありながら、志なかばで斃れた畏友H教授の遺志を継承する役割を担ってのことであった。その後、この動きそのものは、様々な紆余曲折があって実現することはなかったが、そのなかにあって、花田さんは、早稲田大学総合研究機構のもとに早稲田大学ジャーナリズム研究所を立ち上げ、ここをベースとして、今日までジャーナリズム教育・批判的啓発活動を精力的に推進することで「H教授の遺志を継承する役割」を見事に果たしてこられたといえ、ここに深い敬意を表したい。
 しかし、花田さんの講義にもあったように、現代日本のジャーナリズム機構は「アンタゴニスティックな文化的実践」を志して現場に散った多くの若者を遠からずして挫折させてしまう大勢にあり、また、そもそも、そのような実践に気概を抱く学生が激減している(具体的には彼の講義のここ数年における受講者激減)とすれば、1970年代初めに語られた「三無(無気力・無関心・無責任)主義」が、今日、完膚なきまでに浸透しきったということなのであろうか。
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shousokudoh

Author:shousokudoh
大学教員渡世から足を洗い(文字通りいくつかの大学を渡り渡り歩いた故の表現にてご容赦)、浅間山北麓、嬬恋村にほぼ常住する境遇にあり。後々、家人のお荷物になるということをよく聞く蔵書をいまのうちに整理すべく、おのれの足を食らう蛸になぞらえた仮想店舗をネット上に構え、これまで「購った」書を一転「商う」毎日。喜寿も間近となるなか賀状を打ち止めとするかわりに、「心にうつりゆくよしなし事」をブログすることに決した次第。だが75歳の手習い、果たしてどこまで?

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